1. 基本事項
首都 オタワ
政体 立憲君主国
元首 英国女王,総督が代行
宗教 ローマン・カトリック教
言語 英語,仏語が公用語
通貨 カナダ・ドル
時差 -12.5~-17時間
ccTLD .ca
再販制度 書籍の価格拘束なし
ISBN管理機関 Canadian ISBN Agency, Library and Archives Canada(英語); Bibliothèque et Archives nationales du Québec, Agence ISBN(仏語)
ISSN管理機関 ISSN Canada
全国書誌作成機関 Library and Archives Canada; Bibliothèque et Archives nationales du Québec(ケベック州)
ISBN国番号 978-0, 978-1, 978-2
2. 販売目録
Canadian Books in Print
①商品:書籍 ②収録件数:5万2千件 ③収録年:2006年まで ④運営元:トロント大学出版局 ⑤特記:1973年刊行開始の書籍版は2006年をもって終了。Google Booksで閲覧できるものがある ⑥URL:http://books.google.co.jp/
①商品:書籍 ②収録件数: ③収録年: ④運営元:BookNet Canada ⑤特記:日本出版インフラセンターに相当する機関によるカナダ書籍流通標準EDI ⑥URL:http://www.booknetcanada.ca/
Mementolivres
①商品:書籍 ②収録件数:仏語書籍140万件以上 ③収録年: ④運営元:Banque de titres de langue française (BTLF) ⑤特記:データベース開始は1997年。2004年にフランスのElectre社と提携。仏語圏の書籍を網羅的に検索可能(有料) ⑥URL:http://www.mementolivres.com/
3. 出版流通 取次・書店・定期購読
<取次>
HB Fenn
①業種:出版社,書籍取次 ②創業・設立:1977年 ③点数:40出版社,5万点 ④特記:1996年にオンタリオ州ボルトンに2万5千冊の在庫を管理する7万平方フィートのビルを建築。2011年2月倒産。同年6月競売にかかった ⑤店舗数: ⑥旗艦店: ⑦在庫検索: ⑧URL:http://www.hbfenn.com/
Raincoast Book Distribution
①業種:出版社,書籍取次 ②創業・設立:1979年 ③点数: ④特記:1999年にバンクーバShaughnessy通りに5万平方フィート(現行7万平方フィート)の流通センター設置。2万5千書店に書籍を配本する ⑤店舗数: ⑥旗艦店: ⑦在庫検索: ⑧URL:http://www.raincoast.com/
Prologue
①業種:書籍取次 ②創業・設立:1976年 ③点数: ④特記:フランス語圏とケベック州の本をカナダ全土に配本する。2つの物流センターを持つ ⑤店舗数: ⑥旗艦店: ⑦在庫検索: ⑧URL:http://www.prologue.ca/
Heritage Group Distribution
①業種:書籍取次 ②創業・設立:1969年 ③点数: ④特記:出版社等から成るHeritageグループの一員。配本顧客にはChapters.IndigoやAmazon等がある ⑤店舗数: ⑥旗艦店: ⑦在庫検索: ⑧URL:http://www.bcbooks.ca/ –> http://www.hgdistribution.com/
Georgetown Terminal Warehouses
①業種:書籍取次 ②創業・設立:1958年 ③点数: ④特記:オンタリオ州ジョージタウンにある物流センターは8万平方フィートの広さを誇り24時間稼働。サイトに書籍検索なし ⑤店舗数: ⑥旗艦店: ⑦在庫検索: ⑧URL:http://gtwcanada.com/
①業種:雑誌取次 ②創業・設立:不明 ③点数:2,300誌 ④特記:カナダ最大のnational distributor(全国雑誌取次/全国的な総合出版営業代行会社)の一つで小売1,500店と取引を行う。国際取次業者でもある。取扱雑誌検索可能 ⑤店舗数: ⑥旗艦店: ⑦在庫検索: ⑧URL:http://www.disticor.com/Coast to Coast Newsstand Services
①業種:雑誌取次 ②創業・設立:2000年 ③点数: ④特記:カナダ最大のnational distributor(全国雑誌取次/全国的な総合出版営業代行会社)の一つで,国内誌の95%を扱う ⑤店舗数: ⑥旗艦店: ⑦在庫検索: ⑧URL:http://www.ctcmagazines.com/TNG
①業種:雑誌取次 ②創業・設立:1907年 ③点数: ④特記:北米2位のnational wholesaler(全国規模の雑誌問屋・取次)。親会社はバンクーバーに本拠を持つカナダ3番目の[株式]非公開企業Jim Pattison Group。顧客は小売270万店 ⑤店舗数: ⑥旗艦店: ⑦在庫検索: ⑧URL:http://www.tng.com/
<書店>
Chapters.Indigo
①業種:書店チェーン ②創業・設立:1940年 ③点数: ④特記:1940年創業Colesと1950年創業W.H. Smith(1989年にSmithBooksへ社名変更)の両社が1995年に合併しChapter社誕生。1996年にIndigo社誕生。2001年に両社が合併し現社名になる。30万平方フィートの広さの物流センターIndigo Distribution and Support Centreはオンタリオ州ブランプトンにある ⑤店舗数:250店舗以上 ⑥旗艦店:トロントにあるThe World’s Biggest Bookstore(5,900㎡)の棚幅の総計は20キロになるとか ⑦在庫検索:可能(郵便番号必要) ⑧URL:http://www.chapters.indigo.ca/
Renaud-Bray
①業種:書店チェーン ②創業・設立:1965年 ③点数:書籍他20万点 ④特記:1999年に競合企業のChampigny と Garneauを買収し,カナダ最大の仏語専門書店となった ⑤店舗数:25店舗 ⑥旗艦店:モントリオールのコート=デネージュ店の売場面積は8,000平方フィート ⑦在庫検索:可能。在庫冊数を表示 ⑧URL:http://www.renaud-bray.com/
Archambault
①業種:書店チェーン ②創業・設立:1896年 ③点数: ④特記:仏語専門書店。グループ会社に英語書籍専門店としてParagraphe Bookstoreがある。iPhone & Androidアプリあり ⑤店舗数:ケベック州に15店舗 ⑥旗艦店: ⑦在庫検索:可能 ⑧URL:http://www.archambault.ca/
Gallimard Montreal
①業種:書店 ②創業・設立:1989年 ③点数: ④特記:フランス有力出版社の直営書店 ⑤店舗数:1店舗 ⑥旗艦店:店舗はオンタリオ州オタワ ケベック州モントリオールのSt. Laurent boulevardにある ⑦在庫検索:ネット書店在庫表示あり ⑧URL:http://www.gallimardmontreal.com/
RueDesLibraires
①業種:書店連合 ②創業・設立:2007年 ③点数:20万点(電子書籍含む) ④特記:2007年に設立された仏語圏ケベックの独立系80書店による非営利組合により運営されるネット書店。電子書籍はePubとPDF対応 ⑤店舗数:80書店(参加) ⑥旗艦店: ⑦在庫検索: ⑧URL:http://www.ruedeslibraires.com/
Thomas, Vincy, “Québec, Naissance du site internet Leslibraires.ca,” in: Livres Hebdo, 12.11.2013 à 18h05 (mis à jour le 13.11.2013 à 08h58)
<電子書籍>
Entrepôt Numérique
①業種:電子書籍書店 ②創業・設立:2010年 ③点数:5,500点(2009年8月から延べ4万6千点) ④特記:運営はDe Marque社。ケベック州とカナダのフランス語出版社協会ANEL加盟100社の電子書籍を検索可能 ⑤店舗数: ⑥旗艦店: ⑦在庫検索: ⑧URL:http://vitrine.entrepotnumerique.com/
<雑誌>
Magazines Canada
①業種:雑誌販売 ②創業・設立:2005年 ③点数:390点 ④特記:カナダ雑誌協会運営。電子雑誌配信サイトZinioと提携し電子版の販売も行う ⑤店舗数: ⑥旗艦店: ⑦在庫検索: ⑧URL:http://www.magazinescanada.ca/
LMPI
①業種:雑誌販売 ②創業・設立:1968年 ③点数:3,000誌 ④特記:仏メディアグループLagardère Servicesの一員。顧客3,000社に卸売 ⑤店舗数: ⑥旗艦店: ⑦在庫検索: ⑧URL:http://www.lmpi.com/
Express Mag
①業種:雑誌販売 ②創業・設立:1986年 ③点数:北米1,800点 ④特記:LMPIの子会社(1968年からプレス代理店であるアシェット流通サービスカナダの一部門)。仏メディアグループLagardère Servicesの一員 ⑤店舗数: ⑥旗艦店: ⑦在庫検索: ⑧URL:http://www.expressmag.com/ –> http://expressmag.com/
<古書店>
Abebooks
①業種:古書店連合目録 ②創業・設立:1995年 ③点数:14億点 ④特記:ブリティッシュコロンビア州ビクトリアに本拠を置く。初期の社名はAdvanced Book Exchange。2008年に米国のAmazon. comによって買収された ⑤店舗数:60か国1万3千書店 ⑥旗艦店: ⑦在庫検索: ⑧URL:http://www.abebooks.com/
<価格比較>
CompareBookPrices.ca
①業種:書籍価格比較 ②創業・設立:2004年 ③点数: ④特記:新刊書店は欧米80書店のうちカナダはAmazon.caとChapters.Indigoのみ。古書店は多数含まれている ⑤店舗数: ⑥旗艦店: ⑦在庫検索: ⑧URL:http://www.comparebookprices.ca/
4. 図書館蔵書目録 時代別
<-1900>
Early Canadian Online (ECO)
①管理運営:Canadiana.org ②作成・参加館:複数館 ③検索対象:古版本,書籍,雑誌,などの電子版 ④レコード件数:1920年までの雑誌25万ページ,1900年以前の政府刊行物150万件等 ⑤書誌データフォーマット: ⑥特記:電子版閲覧は有料(検索は無料) ⑦URL:http://www.canadiana.ca/en/eco –> http://eco.canadiana.ca/?usrlang=en
<1500->
Amicus
①管理運営:Library and Archives Canada ②作成・参加館:1,300館 ③検索対象:図書,雑誌など ④レコード件数:3千万件 ⑤書誌データフォーマット:UNIMARC,MARC21 ⑥特記:全国書誌Canadianaは1950年に創刊され1991年に冊子体版は終了。遡及入力も終了した模様で1900年代以前も検索可能である ⑦URL:http://amicus.collectionscanada.gc.ca/aaweb/aalogine.htm –> Aurora https://bac-lac.on.worldcat.org/discovery?lang=en ; http://www.itsmarc.com/ (Canadiana)
<1821->
Bibliographie du Québec
①管理運営:ケベック国立図書館 ②作成・参加館:単館 ③検索対象:図書,雑誌など ④レコード件数: ⑤書誌データフォーマット:UNIMARC,MARC21 ⑥特記:冊子体の仏語圏全国書誌を検索可能にしたもの ⑦URL:http://www.banq.qc.ca/ressources_en_ligne/ –> 1821-1967 http://www.banq.qc.ca/techno/recherche/rms.html; http://iris.banq.qc.ca/iris.aspx
Government of Canada publications
①管理運営:Publishing and Depository Services ②作成・参加館:単館 ③検索対象:政府刊行物 ④レコード件数:18万件(うち7万件が電子版) ⑤書誌データフォーマット: ⑥特記: ⑦URL:http://publications.gc.ca/
①管理運営:Association of Parliamentary Libraries in Canada (APLIC) ②作成・参加館:13館 ③検索対象:政府刊行物及び議会資料 ④レコード件数:35万5千件 ⑤書誌データフォーマット: ⑥特記: ⑦URL:http://aplicportal.ola.org/
Theses Canada
①管理運営:Library and Archives Canada ②作成・参加館:単館 ③検索対象:学位論文 ④レコード件数:30万件 ⑤書誌データフォーマット: ⑥特記:1965年開始。2003年から電子媒体(ETD)での提供開始 ⑦URL:http://www.collectionscanada.gc.ca/thesescanada/
REVOLUTION AT THE NEWSSTAND : Optimizing Single-Copy Success for Regional Publishers /
Presented by Rich Baron, IRMA Conference 2013-Baltimore, MD
書籍の流通経路 *北米という意味でアメリカを含む
Canadian Heritageに掲載されたカナダ書籍市場の論文群(本文あり)
The Role of the Book Importation Regulations in Canada’s Market for Books
(overview) (2012)
“Overview of CBF-Recipient Web Sites” (2010)
“Investing in the Future of Canadian Books: Review of the Revised Foreign Investment Policy in Book Publishing and Distribution” (2010)
Study of the Canadian K to 12 Educational Book Publishing Sector (2010)
The Diffusion and Distribution of French-Language Books in Canada (2008)
Book Distribution in Canada’s English-Language Market (2008)
The Book Retail Sector in Canada (2007)
金平聖之助著『世界の出版流通』(サイマル出版会, 1970)
p. 56 「アメリカでは日本(一部の出版社を除く)と異なって、従来、書籍は出版社から買切り制で書店へ販売されていたこと。及び、一九六四年からは返本が認められるようになった」 p. 58-59に返本制度の説明がある。「これら書籍は、出版社から買切り制で書店へ販売されていたのですが、全米小売書店協会の長期にわたる努力が結実して、一九六四年から、売れ残った書籍の返本が大幅に認められるようになりました」
海外出版販売専門視察団 [編] 『出版流通問題の国際比較 : 第7回海外出版販売専門視察団報告書』(海外出版販売専門視察団, 1972)
p. 50 「小売書店(book store or book shop)は、まさにブック(書籍)だけを売る店であって雑誌を取り扱わないのが原則である。そして、雑誌は、ニューズ・スタンド、ドラッグ・ストア、スーパーマーケットなどを読者に対する直接的な販売拠点にしているものの、雑誌流通の中心は予約購読制(subscription system)にもとづく通信販売になっている」
p. 51-52 「アメリカにおける書籍の流通で見逃すことができないのは、ブック・クラブの盛行である。ブック・クラブはいうまでもなく、「カタログによる通信販売」の一種であ[る]」
p. 73 「「本は本屋が売る」という考え方は古い」
p. 94 「アメリカの出版流通形態」
(1) 出版社 -> 小売書店 -> 読者
(2) 図書館市場 (library Markets)
(3) 教育市場 (educational markets)
(4) 出版社 -> 読者(メール・オーダーによる)
(5) 出版社 -> 卸 -> 小売書店 -> 読者。卸が介在するシステム (wholesaler system)
p. 97 「マス・マーケット[註:ペーパーバックよりもサイズを小型にしたり紙質を落とした廉価版]における出版流通は、出版社 -> 卸 -> スーパー等、というチャンネルを形作っており、またアメリカにおける伝統的なブック・ジョバーの方法に依ることが多いので大量の返品も生まれている。これは一見、わが国の慣行である委託販売に似ているけれども、再販制度などないから、ペーパー・バックにも大幅な値崩れが生じている」
出川沙美雄著『物語世界の書籍出版社』(日本エディタースクール出版部, 1982.5)
p. 130-134 タイム・ライフ社を取り上げている。抜粋 「当時「タイム」四五〇万部、「ライフ」八〇〇万部の過半数を定期購読者に持つタイム・ライフ社としてはその処女出版書籍の販売に、この雑誌販売ルートの活用を考えた」「書籍販売にダイレクト・メールの道を拓き、成功させたのはタイム・ライフ社の功績である」
金平聖之助『アメリカの出版・書店』(ぱる出版, 1992)
第2章(p。33-83)主商品(書籍と雑誌)の出版市場が3つ存在する。
➀ハードカバー、トレード・ペーパーバック市場
p. 33-49「出版社からの直接仕入が主流」「とくに新刊を仕入るにあたっては、出版社から派遣される「レップ」あるいは「トラベラー」と呼ばれる常勤(フルタイム)もしくは、コミッション制の巡回販売店(セールスマン)を通じて、あるいは春秋二回発行の新刊を中心とした出版カタログを利用して直接仕入るというのが伝統」「在庫切れとか顧客からの注文(客注)の処理にあたっては、出版社へ注文した場合、三~四週間もかかってしまうところから、同一地域内に存在する、地方卸業者(リージョナル、あるいはローカル・ホールセラー)から仕入る」「七〇年代に入ると、出版社と書店との間にあって、新刊、既刊を問わず、出版物を積極的に全国規模で書店へ取次配布するのを業務とする全国規模の取次卸業者(ナショナル・ディストリビューター)の存在が、出版界においてしだいに注目を浴びる」–> 卸取次ルートの出現
➁マス・ペーパーバック市場
p. 53 「マス・ペーパーバックの流通機構としては、出版社 -> 全国取次業者(ナショナル・ディストリビューター)-> 地方卸業者(ローカル・ホールセラー)-> 小売店(スーパーマーケット、ドラッグ・ストア、コンビニエンス・ストアなど)というのが主流となっている」
➂雑誌市場
p. 61 「スーパーマーケット、コンビニエンス・ストア、新聞売店といった雑誌やマスペーパーバック小売の核となっている小売組織の場合と同じく、雑誌社 -> 全国取次業(ナショナル・ディストリビューター) -> 地方卸業者(インディペンデント・ディストリビューター=ID、ローカル・ホールセラー) -> 小売店という流れ」
賀川洋著『出版再生:アメリカの出版ビジネスから何が見えるか』(文化通信社, 2001)
p. 24に図「アメリカの新刊販売ルート」が掲載されている。
永江朗「大人の楽しい調べもの(第3回)アメリカの出版流通を調べる」 あうる (82), 32-37, 2008-04
各種文献とIBC社長さんのインタビューを通して、コンパクトにアメリカの出版流通がまとめられている。
尾崎俊介「アメリカを変えたブッククラブ ― Book-of-the-Month Club の過去・現在・未来 ―」 外国語研究. 2010, 43, p.43-64.
林 智彦(朝日新聞社デジタル本部)「書籍にまつわる都市伝説の真相–委託販売、再販制度は日本だけなのか(1)」Cnet 2013/03/19 14:22
林 智彦(朝日新聞社デジタル本部)「書籍にまつわる都市伝説の真相–委託販売、再販制度は日本だけなのか(2)」Cnet 2013/03/21 15:21
林 智彦(朝日新聞社デジタル本部)「書籍にまつわる都市伝説の真相–委託販売、再販制度は日本だけなのか(3)」Cnet 2013/03/26 10:15
雑誌の流通経路 *北米という意味でアメリカを含む
日本図書館協会出版流通対策委員会編『図書館と出版流通に関する資料集』(日本図書館協会 1981.10)
p. 93-97に、「新文化」1032号(1972.12.7)と1033号(1972.12.14)の採録記事「出版流通の国際比較3 実感的アメリカ書店論」と「出版流通の国際比較4 雑誌ルートの盛衰」が掲載されている。かつての雑誌の流通方法の主流はニューズ・スタンドであったが、モータリゼーションに起因するアメリカの都市構造の変貌、都市人口の大量郊外移住という社会的変更に基づき、「出版社 -> 読者(ブック・クラブを含むメール・オーダー)」という予約購読が雑誌流通の主流になったこと、ニューズ・スタンドが激減し、雑誌側がそれに対応して販売チャンネルをスタンド販売から予約購読制=メール・オーダー制に切り替えた、ことなどが報告されている。「読者にとっては予約購読の方がずっと安く、[19]71年の場合でみると、この週刊誌[註:「ニューヨーカー」誌]を毎週スタンドで購入すると、予約購読の2倍以上も支払うことになってしまう」
桑名淳二『データで見るアメリカ雑誌』(アメリカ出版研究会, 2000)
雑誌の販売方法はp. 7にあり、直接読者に郵送される「定期購読販売」、及びスーパーマーケットや書店などから読者が購入する「一部売り販売」がある。一部売りのルートには3パターンある(p. 8-9)。
➀ Publisher -> National Distributor -> Regional Wholesaler -> Retailer -> Consumer
➁ Publisher -> National Wholesaler -> Retailer -> Consumer
➂ Publisehr -> Retailer -> Consumer
藤本信彦『観察ノート出版業界西と東:20世紀末のアメリカ・カナダ、イギリス、日本の出版産業』(アメリカ出版研究会, 2002)
p. 22「北米の雑誌は、出版社 -> ナショナル・ディストリビューター(以下「雑誌取次会社」)-> ローカル・ホールセーラー(以下「地域取次会社」 -> ディーラー(以下「小売店)と、取引されていくのが基本」
竹内和芳『欧米のブックビジネス』(アメリカ出版研究会, 2002)
p. 17 「もともとアメリカの雑誌は、予約購読のシェアが高い。最近では約8割がそれで、残りの2割が一部売りとなっている(中略)そうした規模だから、一部売りの市場も巨大なマーケットなのだ」「この雑誌一部売り市場に1995年、一大流通革命が起こった(中略)小売りが声をあげ、もっと利益をと卸売り業者に要求をつきつけた。取引していた卸売り業者を絞り込み、仕入れ価格、様々なサービスの基準を主導権を持って決めていった。スーパー、ウォルマートは300あった取引卸売り業者を3社にまで減らしたのだ(中略)版元はこれまで卸売り業者に任せていれば済んだのだが、小売との直接交渉も必要となり、販売奨励金プログラム等の圧力の強まりにもとまどっている」「スーパー、コンビニエンスの伸びで伝統的なニューススタンドは消えつつある。またもともと雑誌を扱っていなかった書店でも、雑誌を置くことのメリットを意識したスーパーストアなどが積極的に仕入れる姿が目立ってきた」
better paper, forests.climate.commnity, Green America and Next Steps Marketing, “Newsstand marketing and distribution : green at retail,” Green America, Aug. 2009
[文献]
[調査方法]