フェッセンデンの宇宙 (Fessenden’s Worlds)

Translator: 稲葉明雄 (INABA Akio)
in: SFマガジン・ベスト No. 2, 早川書房, 1964.01.31, pp. 63-82. – (ハヤカワ・SF・シリーズ ; 3060)
内容紹介
無際限の大宇宙を数立方メートルの小空間に圧縮してみせる奇想天外の物語(裏表紙)。
本編もいかにもハミルトンらしい、壮大なアイデアと卓抜な着想とにささえられた、この種のテーマのものの傑作の一つである。本篇を読み終えて、ふと背筋に戦慄を感じない人はハミルトンの世界と – つまりSFの世界と無縁の人かもしれない (F) 著者解説(p. 65)
sfmbest2Review:

  • 山本弘, ハヤカワ・SF・シリーズ総解説特集 in: SFマガジン, vol. 57, no. 4 (2016年8月号), p. 65.

フェッセンデンの宇宙 (Original Collection)

Publisher: 早川書房, 1972.09.15
Pagination: 231 p. ; 19 cm.
Series: ハヤカワ・SF・シリーズ ; 3269
装幀: A・ソコロフ
内容紹介
もし、夜空に輝く砂粒のような星を自分の部屋に閉じ込めることができたら。そして、その星々に住む生物を意のままに操ることができたとしたら? ハミルトンはこうした素朴な空想をじつに巧みに料理して見事な短篇を作りあげる。ある時はロマンの香りを、またある時はまったくのナンセンスを味つけにして。
たとえば、「ベムがいっぱい」では…… 人類の永年にわたる夢がついに実現した。二人の地球人が火星の赤い大地に降りたったのである。だが、既に事前調査は充分になされ、驚異の発見などは望むべくもない。“何か”を期待して胸を躍らせる若い科学者のレスターはそれが不満なのだが、年長のホプキンズにとっては、おできを潰さずに着陸することがもっぱらの関心事なのだ。ところがどうしたことか、彼らの見た火星はレスターの望むとおり、いや、それ以上に馬鹿げた世界であった。彼が少年時代に読んだパルプ雑誌に登場する大目玉の怪物や多足人間、赤や青の肌をした半裸の美女が氾濫、しかも、こともあろうに英語をしゃべるのだ!
隠れた短篇の名手ハミルトンのセンス・オヴ・ワンダーあふれる傑作ばかりを集めて、世界で初めて編んだユニークな短編集!
Contents:
フェッセンデンの宇宙 (Fessenden’s Worlds) / tr. 稲葉明雄 (INABA Akiko) 9
反対進化 (Devolution) / tr. 小尾芙佐 (OBI Fusa) 29
未来を見た男 (The Man Who Saw the Future) / tr. 小尾芙佐 (OBI Fusa) 51
翼をもつ男 (He That Hath Wings) / tr. 荒俣宏 (ARAMATA Hiroshi) 69
追放者 (Exile) / tr. 斉藤伯好 (SAITO Hakuko) 99
虚空の死 (The Dead Planet) / tr. 城戸尚子 (KIDO Naoko) 109
ベムがいっぱい (Wacky World) / tr. 南山宏 (MINAMIYAMA Hiroshi) 127
時の廊下 (The Inn Outside the World) / tr. 永井淳 (NAGAI Jun) 153
世界のたそがれに (In the World’s Dusk) / tr. 小笠原豊樹 (OGASAWARA Toyoki) 177
何が火星に (What’s It Like Out There?) / tr. 矢野徹 (YANO Tetsu)  193
解説 名誉回復されるべき短篇作家 森優 227
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書評

  • 「SFマガジン」(1972年12月号) *「SFでてくたあ」 海外セクション担当:福島正実
  • 『奇妙な味の物語ブックガイド』Kazuou, 2020, p. 129-131.

時のロストワールド (The Lost World of Time) CF#8

Translator: 野田昌宏 (NODA Masahiro)
装幀: 金森達
Publisher: 早川書房, 1967.01.15
Pagination: 192 p. ; 19 cm
Series: ハヤカワ・SF・シリーズ ; 3132
内容紹介
時を隔てる一億年の昔、火星と木星の間にあった惑星カタインは、悲惨な終焉を迎えようとしていた。木星と衝突する運命の日が目前に迫っていたのである。科学者ダルルームは<時搬送ビーム>を使って、救援を乞う電磁信号を未来に向けて送った – その時間と空間とを超えた悲痛な叫びに応えたのは、太陽系にその名を馳せるキャプテン・フューチャーその人だった! かねてからタイム・トラベルの研究に余念のなかったフューチャーメンは、さっそく<航時推進機>の完成を急いだ。数週間後、キャプテン・フューチャーをはじめとして、アンドロイドのオットー、ロボットのグラッグ、<<生きている脳>>のサイモン、といずれ劣らぬ宇宙の戦士たちを乗せた超高速宇宙船コメット号は、<<航時推進機>>を装備して、一路、太古の惑星カタインへ向った。だが、予期せぬ出来事が起こった。直径500マイルほどの巨大な岩塊がコメット号をめがけてつっ込んできたのだ。それこそ、知られざる地球の第二の月だった!
アメリカSF界の巨匠エドモンド・ハミルトンがおくる痛快スペース・オペラ<キャプテン・フューチャー・シリーズ>の第三弾!
目次
1 小惑星の怪 9
2 科学の城 17
3 過去よりの叫び 25
4 第二の月 35
5 “過去”のフューチャー・メン 44
6 予期せざる仲間 53
7 星の崇拝者 61
8 太古の惑星 69
9 噴射航跡とともに 79
10 火星の魔術師 87
11 出口 95
12 世界の死 104
13 ジカルのスパイ 112
14 ユグラの下の死 120
15 災難 129
16 創世以前での難破 139
17 太陽系の誕生 148
18 ダーウィンの誤謬 156
19 火星への陰謀 164
20 大崩壊 172
21 惑星の末路 180
解説 スペースオペラの時代 野田宏一郎 187
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書評

  • 「SFマガジン」8(4) (1967年4月号) *p. 95 「SF Detector でてくたあ」 担当: 石川喬司?

太陽系七つの秘宝 (Captain Future and the Seven Space Stones) CF#5

Translator: 野田昌宏 (NODA Masahiro)
Publisher: 早川書房, 1966.02.28
Pagination: 202 p. ; 19 cm
Series: ハヤカワSFシリーズ ; 3107
内容紹介(裏表紙)
火星に難事あれば火星へ、金星に怪事件あれば金星に、はては遠く海王星、冥王星へと愛機コメット号を駆って、いくとこ敵なしのキャプテン・フューチャー! 彼に仕えるのはプラスチック・アンドロイドのオットー、鋼鉄製ロボットのグラッグ、<生きている脳>のサイモン・ライト。これこそ太陽系にその名を馳せるフューチャー・メンの面々である。おりしも、惑星警察機構の手にあまる事件が発生した。考古学者ケネス・レスターがニューヨークで殺害され、古代火星王朝時代の超科学の謎を封じ込んである“神秘の石”の一つが奪われていたのだ。その秘密を解いたものは、無限の力が得られるという。
栄華を極めた古代火星の復活を夢見る火星人の秘密結社<二つの月の子等>の支援をうけて、その宝石を虎視眈眈と狙っていた一人の科学者がいた。名はウル・クォルン。太陽系制覇をもくろむ野心家である。レスター殺害事件が、この男の仕業とにらんだフューチャー・メンは彼のいる金星にコメット号を飛ばした……。
太陽系の正義のために敢然、悪と対決するフューチャー・メン! 本格スペースオペラの決定版キャプテン・フューチャー・シリーズの第一弾!
目次
1 火星の秘密 11
2 キャプテン・フューチャー休暇のおわり 20
3 第三の石 28
4 古代の声 36
5 月へ 44
6 金星沼の危機 53
7 太陽系大サーカス 63
8 死の檻 73
9 フューチャー・メンの挑戦 82
10 “二つの月の子等” 89
11 火星の月にて 97
12 グラッグの受けた命令 107
13 宇宙葬 115
14 隕石群の中で 124
15 宇宙仙人 133
16 “歓楽の星” 143
17 最後の“石” 152
18 極微宇宙 163
19 星の巨人 172
20 新しい宇宙 181
解説 ハミルトンとキャプテン・フューチャー・シリーズ 野田昌宏 187
巻末 キャプテン・フューチャー・シリーズ一覧表 200
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書評

  • 柴野拓美 「月評」 『宇宙塵』 No. 101 (1966.4)  *『柴野拓美SF評論集』(東京創元社 2014)で再録

謎の宇宙船強奪団 (Star Trail to Glory) CF#6

Translator: 野田昌宏 (NODA Masahiro)
装幀: 金森達
Publisher: 早川書房, 1966.07.31
Pagination: 178 p. ; 19 cm
Series: ハヤカワ・SF・シリーズ ; 3118
内容紹介(裏表紙)
最新の花形宇宙船が覇を争う太陽系一周レースを間近かにひかえて、ここ彗星の宇宙船試験基地では奇怪な宇宙船消失事件が頻発していた。テスト飛行中の新造船が次々に宇宙の闇に消えてしまう – 黒いもやが宇宙船を包む、と船は姿を消し、パイロットは宇宙空間の真っただ中にほうりだされているのである。惑星警察機構が捜査に乗り出したが、なんの手がかりも掴めなかった。
キャプテン・フューチャーの部下としてその名も高いアンドロイドのオットーは、快速宇宙艇コメット号を駆って月の裏側散歩としゃれこんでいた。月をほとんど半周したころ、オットーは船内に何者かが潜んでいるのを感じ、後ろを振り向いた。瞬間、もやのようなものに包み込まれ、気を失ってしまった。そこにいたのは機械人間だったのだ! 彼らはオットーを縛りあげると、コメット号の操縦席につき、航路を金星へと向けた……。惑星警察機構から宇宙船消失事件の解決を依頼された折も折、キャプテン・フューチャー自身がいま、愛機コメット号を失おうとしていた!
太陽系全域にその名を馳せるキャプテン・フューチャーの波瀾万丈の活躍を描く本格スペースオペラ第二弾!
目次
1 自殺基地 9
2 宇宙の謎 17
3 明日の男 25
4 金星への追跡 34
5 オーグ活躍す 45
6 太陽へ向う航跡 56
7 宇宙宮殿にて 67
8 太陽系図書館 77
9 カンス彗星の核 88
10 ロケット乗りとともに 98
11 虚空の謎 108
12 “蛸人”の願い 117
13 サイモン・ライトの待伏せ 125
14 時間加速機 133
15 レース開幕 142
16 太陽系縦断 150
17 解けた謎 160
18 奇妙な勝利 168
解説 フューチャーメンの乗機コメット号について エドモンド・ハミルトン 173
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虚空の遺産 (The Haunted Stars)

Translator: 川口正吉 (KAWAGUCHI Shokichi)
装幀: 内藤正敏
Publisher: 早川書房, 1964.09.30
Pagination: 224 p. ; 19 cm
Series: ハヤカワ・SF・シリーズ ; 3074
内容紹介
マサチューセッツ大学の言語学者ロバート・フェアリは、国立博物館の招きを受けてワシントンにやってきた。だが、空港から、迎えの車に乗せられて着いたところは博物館ではなく、空軍の基地だった。しかもそこには一機の軍用機がすでに出発の準備をととのえていて、ニュー・メキシコのモロー基地にむかうというのだった! 何かの間違いに違いないと思って抗議したフェアリは、だが、事の真相を聞かされておどろいた。時あたかも米ソの宇宙競争たけなわの1970年代。月のガッサンディ・クレーターに基地を設けていたアメリカは、そこに驚くべき発見をした‐‐ 推定三万年前のものとおぼしい軍事基地の廃墟である! モンロー基地はすでに、ガッサンディ廃墟で発見された、未知の文字の彫りつけられた小碑や録音テープが運び込まれていた。フェアリを含む四人の言語学者の任務は、その未知の言語を解読して、三万年前のその人類が持っていた恒星宇宙船のメカニズムの謎を解くことだったのである! そしてその解読に成功したとき、彼はさらに驚くべきことを知った。その廃墟こそ、三万年前に想像を絶する強敵と戦って滅びた人類の遠い祖先だったのだ……。SF界のヴェテラン中のヴェテラン エドモンド・ハミルトンの新作! 本邦初訳!
目次
章題はなし
ヴェテラン・リバイバル 福島正実 221
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書評

  • 「SFマガジン」5(13)(1964年12月号) *p. 95 「SF Detector でてくたあ」 担当: 石川喬司?
  • 柴野拓美 「SF界内部の充実へ」 『宇宙塵』 No. 85 (1964.11)  *『柴野拓美SF評論集』(東京創元社 2014)で再録

天界の王 (The Star Kings) SK#1

Translator: 矢野徹 (YANO Tetsu)
Publisher: 早川書房, 1969.04.30
Pagination: 251 p. ; 19 cm
Series: ハヤカワ・SF・シリーズ ; 3217
内容紹介:「おたがいのからだに心を入れかえて、それぞれの時代を見聞してみないか?」 - 時の深淵を飛び超えて、遙か20万年未来から、若い科学者の声がそう呼びかけてきたとき、ゴードンは一瞬、おのれが発狂したかと疑った。だが、この胸躍る提案に、彼は命と正気を賭けようと決心した。未来に目ざめた瞬間から、これまで平穏無事な、だが、しがない安サラリーマンとしてのうつろな日々が、目くるめく驚異と冒険に彩られた毎日へと一変するのだ!厖大な時を隔てた心と心の交換は、首尾よく成功した。だが、彼を待ち受けていたのは予想だにしなかった世界だった。彼は知らなかったのだ - おのれが飛びこんだからだは、当時宇宙最強最大を誇る中央銀河帝国の若き王子その人であることを。全銀河制服の野望に燃える暗黒星雲連合の統治者ショル・カンの恐るべき魔の手が、その身にひそかに迫りつつあることを。そしてその大陰謀をうちくだき全銀河を破滅から救う唯一の望みが、彼の生死いかんにかけられていることを!
アクション、スリル、超科学、イマジネーション、そして恋 - スペースオペラのもつあらゆる要素をもりこんで、この分野の第一人者が生み出した不滅の名作!
Contents:
1 ジョン・ゴードン 2
2 未来の宇宙 18
3 謎の襲撃者 29
4 魔法の惑星 34
5 不思議な仮装行列 44
6 月夜の祝宴 54
7 星の王女 64
8 暗黒星雲からのスパイ 72
9 宮殿の牢獄に 79
10 虚空への飛行 85
11 銀河的計画 92
12 宇宙雲の中で 101
13 暗黒星雲の支配者 109
14 暗黒世界の脅威 119
15 銀河系の神秘 126
16 宇宙での破壊計画 135
17 ネビュラで遭難 142
18 怪物人間たち 149
19 恐怖の世界 157
20 運命はスバルの果に 164
21 虚空の反乱 172
22 銀河系の危機 181
23 帝国の秘密 191
24 スルーンの嵐 203
25 恒星王国群の決意 214
26 恒星間の戦闘 226
27 ディスラプター 235
28 宇宙漂泊者の帰還 245
解説 健筆の作家ハミルトン 野田宏一郎
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  • 礒部剛喜, ハヤカワ・SF・シリーズ総解説特集 in: SFマガジン, vol. 57, no. 4 (2016年8月号), p. 48.